知恵袋ブログ
BLOG
2024.08.02
目次
シャネルを代表するショルダーバッグである『マトラッセ』。
シャネルは有名でもマトラッセについては知らない、という人が多いのではないでしょうか。
本記事ではこれらについて取り上げていくので、ぜひ参考にしてみてください!
マトラッセは、フランスのラグジュアリーブランド「シャネル(CHANEL)」の商品シリーズの中のひとつです。
一般的に、ひし形にキルティング加工されたショルダーバッグを指し、「クラシック ハンドバッグ」とも呼ばれています。
シャネルのリングや時計など、ひし型のキルティングパターンを模したアイテムを「マトラッセ」と呼ぶことも。
マトラッセはフランス語の「matelassé」で、キルト仕上げや中綿入りのような模様を織り出す縫い方(ステッチ)の技法のひとつなんですね。
動詞でも「matelasser」で「詰め物をする、キルト仕上げにする」という意味があります。
シャネルの創業者ガブリエル シャネルは、それまで主流だった片手がふさがってしまうハンドバッグやクラッチバッグに、女性が両手を使えるようソフトなチェーンストラップを付けたキルティングバッグをデザインしました。
これが、後のマトラッセの原型となる「2.55」というハンドバッグの始まりです。
当時ショルダーバッグは男性のものだったため、非常に画期的なものでした。
その後1983年にアーティスティックデザイナーに就任したカール ラガーフェルドが、その流れを受け継ぎ2.55を再解釈したものがこのマトラッセと言われています。
なお本記事では、上記バッグのラインの名称として「マトラッセ」を使用していきます。
前述の通り、ひし形にキルティング加工されたマトラッセのシリーズには、サイズや素材に多数の展開があります。
まずは、サイズの違いからひとつずつ見ていきましょう。
サイズ選びで悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
なお、サイズはシーズンやモデルによって1〜2cm程度変わることもあるため、目安として参考にすることをおすすめします。
サイズ:横幅18cm×縦幅12cm×マチ7cm
マトラッセ20は最もコンパクトであることから、通称「ミニマトラッセ」「マトラッセミニ」とも呼ばれることもあるようです。
小さくコンパクトなのでかわいらしく、アクセサリー感覚でその日のスタイルに合わせてみるといいかもしれません。
また、お財布代わりに持ち歩くのもおすすめで、小さいながら使い勝手が良いモデルです。
小柄な人にもぴったりなサイズ感と言えるでしょう。
サイズ:横幅23cm×縦幅14cm×マチ6.5cm
マトラッセ23は、20よりも横幅が5cm大きくなります。
スマートフォンや小さめの財布は入りますが、やはりそれほど収納力は望めません。
バッグは小さいものを持ちたいという人や、収納力よりも小ぶりでバランス感の良いものを求める人にはおすすめのサイズです。
サイズ:横幅25cm×縦幅15cm×マチ6cm
マトラッセの中で定番、かつ一番人気のマトラッセ25。
マトラッセと言えば、このサイズ感を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
先のマトラッセ20や23に比べると収納力も上がるため、使えるシーンも普段使いからフォーマルまでと、格段に増えます。
バッグに収納力を求める人や、やはり定番のモデルが安心という人にもおすすめできるモデルです。
サイズ:横幅28cm×縦幅16cm×マチ7cm
25に続いて、マトラッセ28も定番と言われているモデルです。
サイズは横幅が25より3cm大きい程度なので、25か28で悩む人も多いです。
収納は多い方がいいという人や荷物が多めの人は、マトラッセ28を選んでおくと何かと安心かもしれません。
サイズ:横幅30cm×縦幅20cm×マチ9cm
存在感のあるマトラッセ30。
横幅は30cmでマチも9cmあるため、長財布やコスメポーチ、スマートフォンなども一緒に入れられます。
通勤バッグとしても活躍してくれる、頼もしいサイズ感です。
収納力があり大ぶりのバッグが好みという人には喜ばれる大きさで、ビジネスシーンにも安心して使えます。
サイズ:横幅34cm×縦幅23cm×マチ10cm
最も大きいモデルのマトラッセ34は、A4の書類も入る頼もしいサイズ感。
ちょっとした旅行や遠出にも活躍する、抜群の収納力です。
見た目もかなり大きくなるので、フォーマルシーンよりもどちらかといえばビジネスや遠出などに活躍するサイズと言えるでしょう。
とにかく収納力を求める人や、バッグは大きいほうがいいという人には打ってつけのモデルです。
ちなみに収納力の高いマトラッセ30と34は、併せて「デカマトラッセ」と呼ばれることもあります。
※「デカ」はもともとギリシャ語が起源の「10、10倍の」を意味するフランス語です。
「大は小を兼ねる」とも言いますから、収納力が高いモデルはそれだけアドバンテージ(利点)も大きいと言えます。
マトラッセには多くの素材があります。
レザーやツイード、ファブリックなどの素材について、ひとつひとつ見ていきましょう。
マトラッセと言えば、ラムスキンを思い浮かべる人がいるのではないでしょうか。
ラムスキンとは生後一年未満の羊の皮を指し、羊革の中では最も高級な素材になります。
デリケートで傷つきやすく水分にも弱いですが、柔らかく肌触りがとても良いのが特徴です。
キャビアスキンは「グレインドカーフスキン」とも呼ばれ、牛革素材に細かい凹凸を型押ししたものです。
型押しの質感がキャビアに似ていることから、そう呼ばれるようになりました。
凹凸の型押しがあるため傷が目立ちにくく、固めの質感ということもあり実際傷が付きにくいです。
そのため耐久性に優れ、長く愛用しやすいといった特徴があります。
カーフスキンは牛革の中でも生後6ヶ月前後の仔牛の革で希少価値が高く、最高級と言われるものです。
キメが細かく柔らかい質感、しかしながら強度もあるのが特徴。
カーフスキンは高品質なうえに希少性が高いため、上質な革製品によく使用されています。
パテントレザーとは、革の表面にウレタン樹脂などでコーティング(エナメル加工)を施した天然皮革のことです。
エナメル、またはエナメル革とも言われます。
表面がコーティングされているため見た目も美しく、また耐久性・耐水性も高いのが特徴です。
エキゾチックレザーとは、主に希少性の高いワニ・トカゲ・ヘビ・ダチョウ・エイなどといった動物の革のことを指します。
それぞれの動物の特徴的な紋様が印象的で存在感があるのが、一般的な皮革(牛・豚・馬・羊など)とは異なる点です。
なおシャネルは、2018年にこのエキゾチックレザーの使用を廃止すると発表、今後市場での希少性は高まっていくものと思われます。
しっかりした厚手の粗布で「帆布」とも呼ばれるキャンバス素材は、亜麻糸や綿糸を平織りにした生地で作られています。
丈夫で通気性や耐水性に優れ、カジュアルな質感で軽いのも特徴です。
ツイードはイギリス・スコットランドの毛織物の一種で、スコットランド産の羊毛の太い糸を平織りまたは綾織りした粗く厚い織物です。
一般的には、男性用の素材として認知されていたツイード。
それを創業者のガブリエル・シャネルが、1924年に初めて女性用ウエアに取り入れました。
以来、ツイードがメゾン(ブランド)の象徴的なファブリックであることは、とても有名です。
ここでは、現行のマトラッセとヴィンテージマトラッセの違いについて取り上げていきます。
それではさっそく見ていきましょう。
ここまで、マトラッセのサイズと素材の展開について見てきました。
歴史のあるマトラッセには、さらに「ヴィンテージ」と呼ばれるものもあります。
ヴィンテージは一般的に、20年以上前の1980年から2000年代にかけて製造・販売されたモデルを指すことが多いです。
したがって本記事でも、その定義で説明をしていきます。
現行のマトラッセは長い歴史を超えたタイムレスな魅力を持ち、世界中で不動の人気を得ています。
シャネルは現行のマトラッセを常にアップデートし続けており、新たなデザインや素材、技術を導入しているんです。
一方で、これまで踏襲されてきた普遍的なデザインは変わらぬマトラッセの魅力でもあり、多くの人を惹きつける理由ともなっています。
現行とヴィンテージにおいて、どのような違いがあるのでしょうか。
ここからは、細かな違いを見ていきましょう。
現行品の方が、ほんの少しスリムになっています。
POINT※ ホールマークとは:貴金属製品の品位試験(分析して製品に含まれる貴金属の純度の割合を調べること)を行い、合格したものには証明記号を打刻してその品位を証明しています。この証明記号を通称「ホールマーク」といいます。なお、諸外国ではこの制度は任意であったり強制であったり、また造幣局をはじめ国の機関が行ったり、指定を受けた業者が行ったりとさまざまです。
ふくらみには、見た目にも明らかな違いが感じられます。
細かい違いですが、ポケットにもいくつかアップデートがあります。
見た目に明らかな違いがあるので、気になる人はチェックしてみてください。
穴の大きさと金具の幅は変わりません。
こちらも微細な違いですが、機能的な違いはありません。
以上、現行とヴィンテージではいろいろと細かな違いが見られます。
年代を超えてアップデートされているマトラッセ。
これらは現行かヴィンテージ、いずれを購入する場合も知っておきたいポイントです。
ここまでマトラッセのサイズや素材、現行とヴィンテージとの違いなど、さまざまな角度から特徴を見てきました。
もし自分が買うなら……と読みながら想像した人もいるかもしれませんね。
では実際に購入する際は、どういった点に気を付けるべきでしょうか。
購入の際の具体的なポイントについて、一緒に見ていきましょう。
まずポイントの一つとなるのは、「使うシーン」。
マトラッセをどんな場面で使おうと思って購入を検討しているのか、具体的に考えてみましょう。
これらによって、選ぶサイズや素材は異なりますよね。
日常的に持ちたい人は、財布もコスメポーチもスマートフォンも入るサイズを想定するかもしれません。
一方でフォーマルなシーンでの使用を想定している場合は、収納力をそこまで求めていない人が多いでしょう。
素材やカラーも、重要なキーポイントになってきます。
いつ持っても自然にスタイルに馴染むものを選ぶか、より素材やカラーが際立つスペシャルなモデルを選ぶか。
例えば定番の黒であれば、通勤など普段使いからフォーマルシーンまでTPOを選ばず万能に活躍してくれるカラーです。
いろんな場面で使いたい人は、定番で飽きのこない黒はパーフェクトな選択でしょう。
一方、パーティやフォーマルなど特別な機会にマトラッセを持ちたい人は、ピンクやブルーなど黒以外のカラーもおすすめです。
また、素材でもキャンバスやツイードなどで遊び心を加えるのもいいでしょう。
一言に「マトラッセ」と言っても、多くの選択肢があります。
そのため使うシーンや好みのカラー、自分に合いそうな素材を念頭に置いておくと、選ぶ際に役立つはずです。
マトラッセのサイズは全6種類、それぞれのサイズによって収納力が異なります。
そのため使うシーンやその際の荷物の量、自身がマトラッセに収納したいものも想定すると、より選びやすくなるでしょう。
これが最も大切なポイントかもしれません。
どの程度の予算を準備できるかによって、購入できるモデルも大きく異なってきます。
自分の好みやマトラッセを持つシーンを想定しつつ、予算に見合ったモデルを購入したいものです。
とくに、中古品に関しては在庫状況や価格が変動することもあるので、まめにショップを覗いてみることをおすすめします。
自分の探しているモデルがあるか、価格はどの程度になっているかをチェックすると、思わぬいい出会いがあるかもしれません。
素材の項目でもお伝えしたとおり、以下についてはとくに普段からメンテナンスが欠かせません。
使うほどに味わい深くなる革もありますが、傷が付きやすく繊細な革は、普段のお手入れにプラスしてプロによる定期的なメンテナンスも検討しておくといいでしょう。
そうすることで、より長くマトラッセを楽しめます。
また商品の状態が良ければ、手放す際も「価値が高いもの」だと判断してもらえる可能性があるんです。
一方で、キャンバス素材であればお手入れは必要であるものの、耐久性が高いので前述の天然皮革に比べるとそこまでではないと言えます。
パテントレザーやエキゾチックレザーに関しては、ラムスキンやキャビアスキン、カーフスキンほどでないにしても、やはり一定のケアは必要になってくるでしょう。
その点も含めてどの程度ケアできるのか、自身のライフスタイルもあわせて想定しつつ希望のモデルを検討してみてください。
今回は、シャネルのマトラッセについてお話してきました。
ファッションやバッグ好きな人に人気の高いシャネルのマトラッセ。
サイズや素材などの特徴から、現行とヴィンテージの違い、購入のポイントまで詳しくお伝えしています。
シャネルのアイコニックなハンドバッグ、マトラッセを自分のスタイルに取り入れられれば、持ち歩く毎日がより華やかになりそうですね。
購入を検討している人は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。