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2024.10.22
目次
「プラダってどんなブランドなんだろう?歴史やブランドの特徴、コンセプトが気になる!」
世界的なファッションブランドである『プラダ』。
日本でも人気の高いブランドですが、プラダの歴史や特徴などについて知っている人は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、『プラダの歴史や特徴』などを詳しく解説していきます。
またプラダのブランドコンセプトもお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。
プラダは創業後すぐにイタリア王室御用達のブランドになりましたが、一時期その人気は低下していました。
順風満帆に見えても、多くの困難を乗り越えながらより多くの人に愛されるブランドに成長したんですね。
そこでここからは、プラダの歴史を深堀りしていきたいと思います。
1913年にマリオ・プラダと弟のマルティーノ・プラダによって、イタリアのミラノで創業されたのがプラダです。
イタリアのアーケード「ヴィットーリア・エマヌエーレ2世のガッレリア」に『フラテッリ・プラダ(プラダ兄弟)』という高級皮革品や旅行バッグなどを扱う店舗をオープンしました。
創業当時から、高品質・高付加価値を追求。
マリオはヨーロッパを周遊して、当時では珍しいセイウチやクロコダイル、蛇、象などの皮革を集めました。
自ら集めた素材をもとに、一流の職人に製品の制作を依頼します。
それが上流階級からの注目を集め、創業わずか6年目にしてイタリア王室御用達のブランドに。
当時の旅行バッグがあまり実用的でなかったこともあり、開発した防水生地を使用したバッグが人気を得ました。
プラダは順調に事業を拡大し、マンゾーニ通りに2号店を開店します。
しかしここで、ブランド存続の危機に直面。
第一次世界大戦や第二次世界大戦によって、経営不振に追い込まれてしまったんです。
本店は戦火の爆撃に巻き込まれ、2号店は資金不足により閉店したうえに、オープンを予定していた3号店も開店中止になってしまいました。
さらに、政治的理由でマルティーノがマリオのもとを離れ、経営者はマリオだけになってしまいます。
1950年代にマリオが亡くなった後は、娘であるナンザとルイーダが後を継ぎました。
ナンザとルイーダは、中流階級にまでターゲット層を広げるなど工夫したものの、どんどん人気は下がっていくんです。
プラダを窮地から救ったのは、創業者であるマリオの孫娘ミウッチャ・プラダと夫であるパトリツィオ・ベルテッリです。
1978年に経営に加わったミウッチャは、ミラノ大学政治学科で経済を学び、卒業後にアクセサリー部門でデザインを担当。
パトリツィオ・ベルテッリは腕の立つビジネスマンで、革小物の製造メーカーを持っていました。
そして彼は、自身が持っていた製造技術を活かし、驚くことにプラダの偽造品を販売していたんです。
プラダから抗議を受けるとビジネス提携を提案し、ミウッチャとともに低迷していたプラダの人気を復活させるために奔走します。
ミウッチャはデザイナーとしてさまざまなアイテムを制作し、パトリツィオ・ベルテッリは経営や資金面で支え事業を再建しました。
この時期に発売された『ポコノシリーズ』は、プラダの再建を強く後押ししたといわれています。
1988年にはパトリツィオ・ベルテッリからの助言を受けてレディース服を展開し、一般市民にも認知されるようになります。
1993年にミウッチャは、プラダのセカンドラインとして女性向けのブランド『MIU MIU』を立ち上げました。
MIU MIUは、大人っぽくてラグジュアリーなプラダとは異なり、ガーリーで可愛らしいスタイルを提案しています。
若い女性をターゲットにしたMIU MIUは瞬く間に話題になり、すぐに多くのファンを獲得しました。
なおMIU MIUというブランド名は、ミウッチャの幼少期のニックネームが由来だといわれています。
2020年には、ベルギーの有名デザイナーであるラフ・シモンズがプラダの共同クリエイティブディレクターとして就任。
ラフ・シモンズは大学で工業、家具デザインを学びインテリアデザイナーになりましたが、後にファッションデザイナーに転身します。
1995年には自身のブランド『RAF SIMONS』を立ち上げ、独創的なセンスで多くの支持を集めました。
彼は2005年にJIL SANDERクリエイティブディレクターに就任、2012年にDIORのアーティスティックディレクターに就任するなど、幅広く活躍しています。
プラダに新しい風を吹き込んだラフ・シモンズ。
メインデザイナーであるミウッチャとラフ・シモンズの共同制作により、プラダの人気はこれからも上昇していくでしょう。
プラダのブランドには特徴があり、具体的に挙げると次の3つです。
それぞれについて詳しく紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
プラダのデザインは、シンプルでありながらも個性的です。
たとえばプラダ再建の礎になったポコノシリーズは、シンプルな見た目に反して、当時としては珍しい工業用の素材である『ポコノ』を採用したんですね。
ポコノは、パラシュートやテントなどに使われている防水性や耐久性に優れる素材で、新しいものを取り入れたいと考えたミウッチャ・プラダによって採用されたもの。
高級感や機能性を兼ね備えたポコノは、ビジネスやカジュアルシーンなどで幅広く活用され、多くの支持を集めました。
このように個性的な考えを製品に取り入れ、確固たる地位を築き上げています。
ポコノに代表されるように、機能的かつ実用的なアイテムを数多く展開しているのもプラダの特徴です。
有名なのが、傷や摩耗などに強いサフィアーノレザーを採用した『サフィアーノ』。
以下は、サフィアーノを使用した財布とバッグです。
出典:プラダ
出典:プラダ
サフィアーノレザーは、牛革に型押し加工を施したプラダの象徴的な素材です。
バッグや財布の中は2つに仕切られており、中身を取り出しやすいため日常使いに適しています。
サフィアーノを一例として挙げましたが、他の製品も機能的で実用的なアイテムが多いのがプラダの特徴だといえるでしょう。
プラダはバッグや靴、アクセサリーに留まらず、アパレルや香水などの幅広い商品を展開しています。
それぞれのアイテムには、プラダらしい独自のデザインが施されているのが特徴的です。
たとえば以下の香水のデザインも個性的で、目を引きますよね。
出典:プラダ
1998年には、カジュアルラインの『プラダスポーツ(PRADA SPORTS)』を立ち上げました。
2018年に名称が変更され、『LINEA ROSSA(リネア・ロッサ)』に。
上品でスポーティーな赤いラインが特徴的なリネア・ロッサは、高いファッション性と機能性も兼ね備えています。
このように、豊富な商品を展開しているのもプラダの特徴のひとつです。
ここで、プラダの2つのブランドコンセプトを見てみましょう。
それぞれについて、詳しく解説していきます。
プラダのブランドコンセプトは、「日常を贅沢に飾る」です。
これはミウッチャによって確立されたもので、創業以降続く伝統を重視しながら現代的な素材や色使いなども取り入れていくという内容なんですね。
富裕層だけでなく広く一般の人に浸透し、プラダが人気を集める原動力となりました。
このコンセプトをわかりやすく表しているのが、前項でも取り上げた「ポコノ」シリーズ。
「バッグ=革」という概念を覆した工業用の防水ナイロン素材は、光沢感のある見た目で高級感を感じつつ、撥水性と耐久性もあります。
またシルクのような肌触りのある特別な素材で、まさしく「日常を贅沢に飾る」にふさわしいアイテムなんです。
周囲の世界に対する観察と好奇心が、常にプラダ・グループの創造性と現代性の根幹をなしています。社会、そして何らかの形で社会を映し出すファッションにおいて、唯一不変なものは「変化」です。あらゆる進化の中心にある基準の変革と革新により、私たちは、時に自分たちのものとは明らかに大きく隔たった、異なる文化規範と交流し、時代の精神を捉え、予想することが可能になります。しかし今日では、もはやそれだけでは不十分です。市場と社会の要求を、私たちのビジネスの流儀を伝える有形の行動に転化するために必要な柔軟性をもって、変化に対して積極的に役割を果たす変化への原動力である必要があります。
引用元:プラダ
上記にあるようにプラダは「Be DRIVERS of CHANGE(変化の原動力になる)」になることを宣言し、常に革新や変革を追求しています。
この言葉には、ミウッチャとパトリツィオ・ベルテッリの「ファッション業界に新しい価値を提供する」という意思が込められているんです。
伝統を大切にする精神を持ちつつ、常に時代の変化を受け入れていく姿勢に重きを置いています。
これまでミウッチャは、イタリアの伝統である「職人による手作業」を重視してものづくりをしてきました。
ミウッチャに「Be DRIVERS of CHANGE(変化の原動力になる)」のような感性があるからこそ、プラダは進化を続けているといえるでしょう。
2025年春夏ミラノ・コレクションでは、プラダを高く評価する声が多かったとのことです!
プラダは、サステナブルな取り組みとして「Re-Nylon」を採用しています。
「Re-Nylon」は、世界中の海から集めたプラスチックや漁網、埋め立てゴミや繊維くずなどを再利用・浄化して作った再生ナイロン。
「真の循環型ラグジュアリー」として、品質を損なうことなく無限に再生できる素材なんですね。
「Re-Nylon」を使用することで地球環境への負担を軽減し、持続可能な未来を目指しています。
世界をけん引するプラダがこのような取り組みを公開することで、ユーザーの地球環境保護への意識も変わるかもしれません。
それがいわゆる「応援消費」につながることもあるでしょう。
これから先もプラダは、サステナブルな取り組みを含めた革新的な変化を遂げていくはずです。
なお、応援消費について以下の記事で詳しく解説しています。
「応援消費が広がる時代。ハイブランドを購入する基準も新たな変化へ」
こちらもあわせてご覧ください。
今回は、、『プラダの歴史や特徴』などを詳しく解説してきました。
過去の苦境を乗り越えてきたからこそ、今のプラダがあります。
今後もプラダは変化を繰り返し、ブランドに新しい風を吹き込んでいくことでしょう。
本記事でご紹介した「ポコノ」や「サフィアーノ」などが気になったら、ぜひエコプラスYahoo!店を覗いてみてください。