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2024.11.12
目次
フランスのパリで誕生したラグジュアリーブランド、『セリーヌ』。
ブランドの名前を聞いたことがあっても、その生い立ちや人気のバッグシリーズまで詳しく知っている人は少ないかもしれません。
など、知りたいことがあるはず。
そこで今回は、セリーヌの生い立ちやブランドコンセプト、特徴について解説していきます。
また、人気があるバッグもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
女性からの人気が高いセリーヌの歴史を、以下の順序でお話していきます。
それぞれ詳しく解説するので、さっそく見ていきましょう。
1945年、実業家でデザイナーのセリーヌ・ヴィピアナと夫のリチャードが、フランスにオーダーメイドの子ども靴専用店をスタートします。
自らデザインしたものを一流の革職人に一つひとつ丁寧に製作してもらっていましたが、もともとは自身の子どものために始めたものです。
ところが、スタイリッシュで履きやすいだけではなく、医学的観点からも計算されている安全性の高い靴は瞬く間にパリの上流階級のあいだで話題に。
子ども靴専門店としての地位を獲得し、1948年には3店舗をオープンするほど順調に事業を展開していきます。
次第に子ども達の靴をオーダーしていた母親たちから婦人靴のリクエストが増加し、1959年に婦人用モカシンである『INCA(インカ)』を販売します。
馬具であるくつわ型の金具がついたINCAは、すぐに人気商品となりました。
その後も事業は順調に進み、1965年には香水とスカーフ、1966年にはハンドバッグの取り扱いを開始します。
また同時期に、4台の2輪馬車が交差するように並んだモノグラムが特徴的なバッグである『Sulky(サルキー)』を展開。
セリーヌの中でも最も古いラインであるSulkyは、現在は取り扱いが終了したこともありヴィンテージファンから関心を集めています。
セリーヌは1967年にプレタポルテコレクションをスタートし、エレガントなデザインと実用性の高さで多くの女性から支持されます。
当時、オートクチュールではなくても高品質な製品を作れるようになっていたため、プレタポルテが急成長していたんですね。
それに伴い、セリーヌの評価はさらに上昇しました。
さらに、当時は「フランス上流階級のシックな暮らし」を意味する『B.C.B.G(ベーセーベージェー)』という言葉が流行。
セリーヌのファッションが、Bon chic bon genre(ボンシック・ボンジャンル)の頭文字から取ったこの言葉の代名詞になり、評価も急上昇したんです。
しかし時代の変化とともにB.C.B.Gが廃れていくと、セリーヌの勢いも衰えていきます。
次第にセリーヌを愛用する人の年齢層も高くなり、高齢者向けのブランドというイメージが定着してしまいました。
低迷期を過ごしていたセリーヌは、1987年にベルナール・アルノーが率いるファイナンシエール・アガッシュ社(現LVMHグループ)に買収されます。
セリーヌ・ヴィピアナも退任し、新社長に若干30歳のナン・ルジェ(元マネージャー)を抜擢。
経営や組織などを改革し、ラグジュアリーブランドとして復活の兆しがみえてくるんです。
そして、1997年にチーフデザイナーに就任したマイケル・コースによって、低迷期を抜け出します。
マイケル・コースは、アメリカの働く女性を新しいターゲットにしてセリーヌのイメージを若返らせます。
今までの高級感のある服にスポーティーな要素をプラスしたラインを発表し、多くの人から支持されるようになるんです。
そして2002年には『Boogie-bag(ブギ―バック)』、2003年には『Paris-Macadam(パリマカダム)』を発表するなど、次々と代表作を世に送り込みます。
また衣装デザインにも力を入れ、多岐にわたる活躍をみせました。
マイケル・コースの退任後は2004年にはロベルト・メニケッティ、2005年にはイヴァナ・オルジックがデザイナー就任するものの、大きな成果は残せず、再度低迷期を迎えます。
しかし、2008年に取締役兼デザイナーに就任したフィービー・ファイロによって、セリーヌは再び復活を果たします。
フィービー・ファイロは、2010年にブリティッシュ・デザイナー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、2014年には世界で最も影響力のある100人に選ばれた人物。
2010年に『Luggage (ラゲージ)』、2011年にゴールドやシルバーのクラスプが特徴的な『Classic box(クラシックボックス)』などの洗練された製品を展開しました。
2018年に惜しまれながらも退任し、新たにクリエイティブディレクターにエディ・スリマンが就任します。
エディ・スリマンは、ラグジュアリーにロックテイストを織り交ぜたスタイルで「エディ系男子」という言葉を生んだほどの影響力を持った人物です。
2019年春夏シーズンからセリーヌ初のメンズラインを開始し、ブランド表記も「CÉLINE」から「CELINE」に変更するなどしましたが、2024年に退任が発表されました。
創業当初は子ども靴専門店でしたが、1960年以降に女性向けファッションを取り扱うようになったセリーヌ。
そんなセリーヌのブランドコンセプトは、セリーヌ・ヴィピアナが掲げた『女性らしくありつつも自立しているアクティブな女性』です。
ハイブランドにありがちなロゴを全面に押し出す製品は少なく、洗練されたシンプルさと上品さを兼ね備え、多くの女性から愛されています。
高品質なレザーを使用した実用的な製品が多く、カジュアルなスタイルにもフォーマルなシーンにも合うのが魅力です。
セリーヌを語るうえで、次の3つの特徴は外せません。
それぞれの特徴について、詳しく解説していきます。
セリーヌは、過剰な装飾を施さない控えめさとラグジュアリー感を兼ね備えたブランドです。
高品質な素材と洗練されたデザインで表現された高級感は、身にまとう人をあか抜けた印象に引き立ててくれます。
ロゴを控えめにしたミニマルなデザインが特徴で、一過性のトレンドに影響されることなく、多くの人に長年愛用されています。
流行に左右されないデザインであることから、「自分らしいスタイル」を確立している人にこそセリーヌのアイテムがぴったりだといえるでしょう。
セリーヌの製品には、控えめなデザインのなかに優れた品質と細部へのこだわりが息づいています。
たとえば選び抜かれたラムレザーやカフレザーなどの素材は、使い込むほどに手に馴染み、使い心地も抜群です。
また存在感を抑えたロゴは、シンプルなデザインでありながら品格を感じられます。
このように、品質と細部へのこだわりによってセリーヌの良さが際立っているんです。
セリーヌは、20代後半〜40代の女性を中心に支持されています。
もともとはフランスの上流階級やセレブを中心に人気を集め、高齢者層が愛用するイメージが定着していました。
しかしブランド戦略の変更によって、アメリカのキャリア層やファッションに敏感な若年層にターゲットを広げ、新たな層の支持を得ます。
そして、「さりげなく質の高い製品を所有したい」という願望を持つ女性達の間で広く浸透していきました。
メンズラインを発表した2019年からは、男性からの支持も得られるようになります。
このように、男女問わず幅広い年層から定評があるのがセリーヌです。
セリーヌで人気のバッグは、次に挙げる5つです。
それぞれの特徴や人気のポイントをお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。
出典:CELINE
2019年にエディ・スリマンが発表した『Triomphe (トリオンフ)』は、セリーヌの新たなアイコンとして広がりを見せています。
Triomphe (トリオンフ)はフランス語で「凱旋」を意味し、凱旋門の装飾から着想を得たチェーンモチーフを再解釈したデザインです。
また、セリーヌの「C」を2つ重ねたモチーフであるCの曲線をより長くすることで、従来のマダガム柄よりも洗練された印象を与えています。
さらに立体感のあるデザインに仕上げるため、陰影を施してあるのもポイントです。
Triomphe (トリオンフ)ラインは、Maignon Triomphe(マイヨントリオンフ)やTriomphe Canvas(トリオンフキャンバス)など、シーズンごとに新しいバリエーションが追加されているのも特徴です。
出典:CELINE
エディ・スリマンがセリーヌ就任後すぐに発表した『16(セーズ)』は、セリーヌを象徴するバッグのひとつです。
レディー・ガガが発売前に自身のインスタグラムに投稿したことでも話題になり、関心を集めました。
洗練されたクラシカルなデザインの16(セーズ)は、流行に左右されずに長年愛用できるのが嬉しいポイント。
程よく丸みを帯びた女性らしいフォルムで、さまざまなシーンで活躍してくれます。
出典:CELINE
『Luggage (ラゲージ)』は、2010年にファイバーファイロによってデザインされたバッグです。
1970年代に発表された旅行かばんからインスピレーションを受けて生まれ、セリーヌの定番バックとして定着しています。
台形のフォルムが特徴的なLuggage (ラゲージ)は、マチや開口部が広いため高い収納力があります。
また上品でありながらカジュアルさを感じるデザインで、遊び心がプラスされているのも特徴。
「第2のバーキン」とも呼ばれるほど評価が高く、多くの女性が憧れるバッグとなっています。
出典:CELINE
『Triomphe Canvas(トリオンフキャンバス)』は、2019年に登場したレトロな雰囲気が漂う新しいラインです。
Triomphe (トリオンフ)と同様に、かつて使用されていたマカダム柄をリバイバルし、現代風にアレンジしています。
Triomphe Canvas(トリオンフキャンバス)の特徴は、キャンパス素材を使用していること。
軽量性が高く持ち運びやすいだけではなく、耐久性が高くてシミになりにくい塩ビコーティングが施されているため、雨の日でも使用できます。
また、Triomphe Canvas(トリオンフキャンバス)は日常やビジネスなど、利用シーンに合わせた多様な製品が揃っているのもポイント。
リュックサックとして使える巾着型、旅行で使える大容量のボストンバッグ、A4書類やPCなども収納できるショルダーバッグなどが揃っています。
出典:CELINE
2014年に登場した『Belt Bag(ベルト)』は洗練されたシンプルなデザインで、さまざまなファッションに合わせやすいラインです。
トップハンドル、取り外し可能なショルダーストラップの2Way仕様で、ハンドバッグやショルダーバッグ、クラッチバッグなどの持ち方ができます。
さらにバッグにはマチが設けられており、高い収納力を発揮します。
バッグ内のものを取り出しやすいように、開口部が大きく開く設計が施されているのもポイントです。
また、用途やスタイルに応じた5つのサイズが展開されており、サイズごとに仕様が異なります。
たとえば、1番小さいサイズのPICO(ピコ)は、留め具にマグネットを使用しており、長さ調整や取り外しできるストラップが付属されています。
最も大きいサイズのSMALL(スモール)は、留め具はフックでストラップの長さは調整できません。
同じラインでも、サイズやカラーによって楽しみ方を変えられるのは嬉しいポイントです。
今回は、セリーヌの生い立ちや特徴、おすすめバッグを紹介しました。
大人の女性から愛されているセリーヌですが、実は子ども靴専門店としてスタートしたことを初めて知った人もいたのではないでしょうか。
その後、低迷期を迎えるものの復活を遂げ、現在では多様なラインを展開するブランドとしてさらに輝きを増しています。
セリーヌの製品は、洗練されたデザインから中古市場でも高い評価を受けており、高額査定につながりやすいのも特徴です。
なお、エコプラスでもセリーヌの商品を取り扱っています。
本記事を読んで気になった人は、ぜひ実際に商品を手に取ったりオンラインストアを覗いたりしてみてください。