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ワイングラスの種類や使い分けについて解説します

2023.03.31

普段なにげなく見ているワイングラスには、各部それぞれ名称がついているのはご存知でしょうか。

実は上から順に、下記のような名称がついています。

  • リム(口をつける縁の部分)
  • ボウル(カップ本体)
  • ステム(長く伸びた足部分)
  • プレート(全体を支える台座)

今回は、そんなワイングラスについて種類や使い分けについて解説していきます。

ワイングラスの名称:リム

リムはグラスの縁に当たる部分で、飲む際にここが触れる場所です。

つまりワイングラスに限らず、多くのグラスにリムが存在します。形状に違いはあっても、リムはある程度丸みを帯びたものが主流です。

ただしワイングラスの場合、薄ければ薄いほど良いとされています。

理由はワインの繊細さにあり、薄いほど飲み味をしっかりと感じられるからです。

薄いと割れやすくなるので、取り扱いには注意しなくてはなりません。

同じアルコールでもビールジョッキのリムを見てみると、かなり厚めに作られているのが分かります。

日本だとビールは繊細な飲み味より、喉越しや勢いが重要視されますよね。乾杯もガツンと行うので、どちらかといえば頑丈さが優先される状態です。

上記のようにリムだけでも、用途や考え方次第で造りが異なります。

ワイングラスの名称:ボウル

ボウルはリムのすぐ下にある受け皿で、ここでワインを受け止めます。

丸みを帯びた形状から、ややストレートに沿った形状までさまざまです。

実はこの丸みは、広さやカーブの具合で飲み味が大きく変わります。ワイングラスの中でも、このボウルの違いは非常に大きいです。

またボウルは足に向かってカーブを描くほかにも、リムに向かって描かれる上下のカーブと、絶妙な度合いが味わいを決めます。

ワイングラスはこのボウルの形状により、大きく特徴を変化させるものです。

ワイングラスの名称:ステム

ステムはボウル下部から伸びている、足のような役割を果たすものです。

一般的なグラスだとステムがついておらず、そのまま台座が直結しています。

ワイングラスではステムを持つことで、ワインに手の温度を伝えません。色味を見る際にも、手元を邪魔することなく観察できます。

ちなみにテイスティング(外観や香り、味わいのチェック)時は、ステムを持つのがマナーです。

国際的にはテイスティング以外、ステムを持たずに飲むのがマナーとされています。(ボウルを持つほうが安定しているため)

しかし日本では、飲む際もステムを持つのがマナーとされることが多いです。

ワイングラスの名称:プレート

プレートは、ワイングラスの最下部にある台座部分を指します。

この台座部分は安定感を出すために、ボウルの直径と同じサイズになっていることが多いです。

テイスティング時にこちらを持つこともありますが、基本的にワイングラス全体を安定させるためのものとなっています。

デザインや有名なメーカーが作るものは、プレートにデザインを施している場合も多いです。

ワイングラスの種類について

ワイングラスは、実は形状がいくつか分かれています。具体的には下記のとおりです。

  • ボルドー型
  • ブルゴーニュ型
  • 万能型
  • モンラッシェ型
  • フルート型

それぞれ見た目の形が違うので、どの形状がどういった名称なのかを把握しておきましょう。

ボルドー型

ボルドー型は、ボウルの形状が卵のように緩やかな円形を描いています。全体的にやや縦長の形状です。

チューリップ型とも呼ばれ、リムへ向かって緩やかにカーブがついていきます。

一般的なワイングラスよりも大きめに作られており、赤ワインを飲むのに最適と言われるワイングラスです。

ブルゴーニュ型

ブルゴーニュ型のワイングラスは、ボルドー型よりもさらにボウルの膨らみがあります。

なめらかな曲線を描いていたボルドー型に比べ、そのカーブはややきつめになっているのが特徴です。

万能型

万能型は、ややカーブがゆるくなったボルドー型のようなものから、こぶりなブルゴーニュ型とやや違いがあります。

名前に万能がつくとおり、あらゆるワインを一脚で楽しめるよう工夫がされているものです。

モンラッシェ型

モンラッシェ型は今回紹介するワイングラスの中でも、もっとも丸みを帯びたグラスになっています。

リムも広く取られており、広く深い形状をしているのが特徴です。

フルート型

フルート型はワイングラスの中でも、もっとも細く深いボウルになっています。

別名シャンパーニュグラスと呼ばれ、泡立ちを長く楽しめるような形状です。

ワイングラスの形状の違いについて

ワイングラスの形状は、違いによって適したワインが変わってきます。

前項で紹介したワイングラスの形状とともに、形状の違いについてもまとめました。

ボルドー型

ボルドー型は赤ワインに適しており、ワインの芳醇な香りをダイレクトに楽しめるものとなっています。

ブルゴーニュ型と比較してボルドー型はボウルが小さく、香りをそのまま伝えられるようになっているのが特徴です。

ボウルが小さいので温度が上がりにくく、冷えている状態でも飲み切れます。

とはいえ赤ワインは温度変化により、香りの変化も楽しめるものです。カベルネ・ソーヴィニヨンや、メルロといった赤ワインにはボルドーが最適でしょう。

ブルゴーニュ型

ブルゴーニュ型はボルドー型よりもボウルが大きく、丸みがあります。赤ワインを楽しむのに最適なグラスです。

この形状によりワインが空気に触れる面積も大きくなり、複雑な香りがしっかりと感じ取れるでしょう。

おもに熟成赤ワインが適しています。ブルゴーニュワインを楽しむなら、名前にもあるブルゴーニュ型を選ぶと良いです。

万能型

万能型は汎用性が高く、白ワインでも赤ワインでも楽しめる形状となっています。

メーカーによって形状は微妙に異なるものの、入門用としてもプレゼント用としても最適です。

実はビールにも使われることがあり、まさに万能型として幅広い楽しみ方ができます。

モンラッシェ型

モンラッシェ型は白ワインに最適で、おもにシャルドネから作られた白ワインがおすすめとなっています。

ボウルの形状が丸く、カーブも大きいのでより香りを引き立てやすいです。

ただし全体的に白ワイン用とされるグラスは、赤ワイン用と比べてグラスが小ぶりに作られています。

理由は適切な飲みごろ温度が低く、あまり大きく温度変化しないうちに飲むのが適切だからです。

白ワインに適切とされるものの万能性が高く、日本酒やスパークリングワインにも香りを引き立てる効果があります。

フルート型

フルート型はおもにシャンパングラスとして使われることが多く、繊細な泡立ちを楽しむのに使われます。

また縦長の形状から、スペースのないパーティーにも最適です。

泡の動きを楽しむだけではなく、香りもしっかりと集められる形状になっています。

ワイングラスの形状が違う理由について

ワイングラスの形状が違う理由は、一言でお伝えすると「ワインは繊細だから」です。

飲む際の温度や湿度・保管状況からグラスと、さまざまな条件でワインの味わいは変化します。

ワイングラスの薄さや形状によっても、味わいが大きく変わってくるのです。

同じ赤ワインでも産地により、ボルドー型やブルゴーニュ型といった違いがあるのはそういった理由が関係しています。

繊細かつたくさんの種類があるからこそ、それぞれに応じた最適な飲み味を追求しているのです。

自然とワイングラスの形状も研究され、多くの形が生み出されるほどになりました。

より美味しくワインを楽しむなら、形状の違いにも着目すると飲み味が全く違います。

できる限り違いを理解した上で、最適なワイングラスを用意できると奥深さが体感できるでしょう。

ワイングラスの種類や形状はどう使い分けるべき?

ワイングラスの種類や形状は、そのワインに合った種類や形状を用意すると良いです。

とはいえ、一般的に言われている種類や形状どおりにする必要はありません。

例えばスパークリングワインを楽しむのはフルートグラスですが、しっかりと香りを感じたくてボルドー型やブルゴーニュ型を選ぶ方もいます。

自身がワインをどう楽しみたいのか、特性を知った上でワイングラスを選択していくと良いでしょう。

そこまで味わいの違いを求めていなければ、万能型で十分な場合もあります。

比較できなければ味の違いも分からない場合が多いため、最初はワイングラスの基礎を理解した上で実際に試してみてください。

実際に比較すれば知識と経験が結びつくので、あくまで使い分けの説明は基礎知識として捉えておくとスムーズです。

その他のグラスの種類とグラスごとの飲み物の使い分けについて

ワイングラスは大きく分けると5種類ですが、ほかにもグラスの種類はあります。

  • クープ
  • タンブラー
  • ブランデー
  • ゴブレット
  • オンザロック
  • カクテル

それぞれ特徴と飲み物の使い分けについて解説していきます。

クープ

クープはリムが広くなっており、まるでお椀に足をつけたような形状となっています。

フルート型は細長いので、やや傾けなくては飲めません。しかしクープ型の場合、そこまで顔を上げなくても飲めるのが特徴です。

リムが大きく広いため、香りは飛びやすいものとなっています。一方で香りをより強く感じ取れるのは大きなメリットです。

タンブラー

一般的なグラスと言えば、タンブラーが該当します。ステムがなく、円錐形になっているものが多いです。

カクテルやサワー、水や牛乳と幅広く使えます。現在もっとも多くのお店で使われているといっても過言ではないでしょう。

素材もガラスのものからステンレス、アクリルとさまざまなもので作られています。

ブランデー

ブランデーグラスはボルドー型よりもボウルが広く深く、ゆっくりと空気を含ませて香りを楽しむ飲み方に最適です。

ブランデーやリキュールだけではなく、ワインも最適と言われています。

上質なワインを残しているなら、ブランデーグラスを使用してみても良いでしょう。

ゴブレット

ゴブレットグラスはステムが短く、ボウル全体の直径が広いものとなっています。

ワイングラスと比べて扱いがよい上に、安定もしやすいので人気が高いです。

オンザロック

オンザロックは、ブランデーやウイスキーを氷で割る際に使われるグラスです。

ステムはなく、背は低めに作られています。安定感もあり、ずっしりした見た目が無骨さを滲み出しています。

カクテル

カクテルグラスは、逆三角形になったボウルを持つグラスです。

容量が小さく、90mlほどしか入りません。カクテルのように氷を使わなかったり、カットレモンやスノースタイルで飾ったりする際にピッタリです。

意外とお手頃価格で入手しやすく、100円ショップでも手に入ることがあります。

まとめ

今回は、ワイングラスについて種類や使い分けについて解説してきました。

ワイングラスやワインについては、まだまだ知っておきたいことがたくさんあります。

ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にしてみてください。