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機械式腕時計はなぜ壊れる?故障原因と対策方法を解説

2023.12.29

大切な腕時計が止まる、壊れてしまうとショックですよね。

とくに機械式腕時計は精密機械のため、間違った使い方をしてしまうと普段の使い方や保管方法には、注意が必要です。普段の何気ない行動が機械式腕時計にとって、悪影響を及ぼしていることもあります。

そこでこの記事では、機械式腕時計の故障原因とその対策についてまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

機械式腕時計でありがちな故障原因と対策について

機械式腕時計の故障原因とその対策について解説します。

油切れや油の劣化

機械式腕時計の故障原因の理由の1つに、油切れ・劣化があります。

機械式腕時計は、100以上の小さな部品が組み合わさって動く仕組みです。そのため摩耗の激しい部分には潤滑油が塗布されています。

この油は、定期的に塗り直さないと、乾燥や変質してしまい周囲の部品に悪影響を及ぼしてしまいます。

油切れ・劣化の対策は、定期的にオーバーホールを依頼することです。機械式腕時計のオーバーホールは部品をすべて分解・点検し、洗浄を行います。そして必要な部分に油の注油をして再び元の状態へと戻します。

そのため油が乾燥、変質していてもオーバーホールによって解決することができます。

磁気帯び

機械式腕時計の故障原因でもっとも多いのが、磁気帯びです。

磁気帯びとは、時計内部のムーブメントが磁力を帯びてしまった状態のことで、金属には強い磁力を発するものが近くあると、その磁力が金属に移ってしまうという性質があります。

多くの機械式腕時計のムーブメントは金属でできているため、部品が磁化すると、互いにくっつこうとして位置がずれたり噛み合わなくなったりしてしまいます。

磁気帯びした時計は、精度の大幅なズレや動かないといったトラブルにつながります。

磁気帯びの対策は、強い磁力を発する製品の近くに時計を置かないことです。

強い時期を発する製品は、パソコンやスマートフォン、スピーカー、電子レンジ、磁気を使用した健康器具、鞄のマグネット式の留め具など、身近なところにたくさんあります。

そのためこうした製品に時計を近づけないように気をつけましょう。

ゼンマイ切れ

ゼンマイは時計の精度を司る、時計の心臓部とも言える部品です。

しかし、非常に繊細であり過剰な巻き上げや長年の使用によって、ゼンマイが切れてしまうことがあります。ゼンマイ切れになると、時計は動かなくなります。

リューズを巻き上げてもキュルキュルと空回りするような感触しかなく、巻き上げの間隔が感じられなくなります。

ゼンマイ切れの対策は、ゼンマイを巻き上げすぎないこと、そして定期的なオーバーホールを行うことでゼンマイ交換を行うことです。

手巻き時計はゼンマイが完全に巻き上がる巻止まりがありますが、できれば巻止まりの前に巻き上げをやめたほうが良いでしょう。

目安としては30回前後です。

また、ゼンマイは金属の細い線状の部品のため、定期的に交換しないと金属疲労により切れやすくなってしまいます。

こちらもオーバーホール時に点検を行い必要であればゼンマイ交換を行うため、定期的にオーバーホールを行うようにしましょう。

水・異物の侵入

時計の内部に水やゴミなどの異物が入り込んでしまうと、内部のムーブメントにさまざまな悪影響を及ぼします。

機械式腕時計にはリューズや裏蓋のパッキン、防水ケースなどさまざまな防水仕様が施されてしますが、それでも内部に水が入ってしまうことがあります。

とくに多いのがリューズやプッシュボタンの締め忘れです。

高い防水性能を誇る時計であっても、リューズやプッシュボタンをしっかりと締めなくては防水性を担保できません。

また、日常防水の時計のリューズをしっかりと締めずに保管していると、湿気によってムーブメントに錆が発生することもあります。

内部の水や異物の侵入を対策するには、しっかりとリューズを締めることです。

また、裏蓋やリューズのパッキンは劣化してしまうため、定期的な好感が必要です。そのため定期的にオーバーホールをするようにしましょう。

落とす・ぶつけるなどの衝撃

時計の故障原因で多いのが、時計を落としたり、ぶつけたりすることです。

腕時計はよく動かす手に着用しているため、どうしてもどこかにぶつけてしまうことが多い製品です。また、着用時に落としてしまうこともあるでしょう。

しかし機械式腕時計は繊細な機械のため、外部では傷や凹みなどがなくても、内部のムーブメントに悪影響を及ぼしている可能性があります。

落としたりぶつけたりした直後は何もなくても、しばらくしてから時計に故障の兆候が見られる場合もあります。

時計を落とす・ぶつけることの対策は、とにかく時計の扱いに気をつけることです。

とくに着用時は、落としやすいことが多いため、注意が必要です。ブレスレットを通したはずなのに通っていない、指がもつれてしまうなどのちょっとしたことで、時計の故障につながってしまうため、着用時はとくに気をつけましょう。

メーカー修理不可な場合もある故障について

時計修理を行う方法として、正規のメーカーで修理してもらう方法があります。しかし、メーカーに「修理不可」として断られてしまうことがあります。

メーカーから修理不可と言われてしまう原因は、修理部品の製造が終了しているからです。

時計メーカーの多くは、修理のために各部品の製造を行っていますが、販売が終了してから一定期間が経つと部品の製造も終了します。

そのためアンティーク時計やヴィンテージモデルなどはメーカーに修理を依頼しても、断られてしまいます。

また、内部の部品にメーカーの純正品ではない外部の部品が使われている場合も、メーカーから修理を断られてしまいます。

この場合、民間の時計修理店で修理を請け負ってくれる店舗を見つける必要があります。

まとめ

今回は、機械式腕時計の故障原因とその対策についてまとめました。

機械式腕時計については、まだまだ知っておきたい知識がたくさんあります。

ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。