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機械式腕時計の故障の症状や故障につながる兆候について解説します

2023.12.30

機械式腕時計は、とても繊細でクオーツ式の腕時計よりも取り扱いを注意する必要があります。

そのため、故障の症状や故障につながる兆候について知っておくことは、少しでも長く大切な腕時計を使い続けていくためには必要な知識です。

ということで今回は、機械式腕時計の故障の症状や故障につながる兆候解説していますので、腕時計の動作に違和感があるという方は、ぜひ参考にされてみてください。

機械式腕時計でありがちな故障の症状や兆候について

機械式腕時計で発生しやすい故障の症状と、その兆候について解説します。大きな故障になる前に、早めに時計の違和感に気づくことが重要です。

機械式腕時計が遅れる・進む

時計が遅れたり進んだりする症状で、修理に持ち込むという話しはよく聞きます。

しかし機械式腕時計は、クォーツ時計や電波時計と異なり、もともと時刻のズレが起こりやすい性質があります。

そのため「自分の時計のズレが故障なのか、機械式腕時計のズレの範囲内なのかを知りたい」と疑問を抱く方も多いかと思います。

時計が1日にどのくらい遅れる、進むのかを表す指標に「日差」があります。

例えば時刻を合わせて1日の終わりに通常の時間より15秒遅れていたら、その時計は「日差-15秒」と表すことができます。

1週間ほど日差を計りその平均から時計の日差を算出する方法が一般的です。

一般的に機械式腕時計の日差の許容範囲は±20~45秒ほど、アンティーク時計であれば±180秒ほども許容範囲になります。

最新の高精度な機械式腕時計のなかには、±5秒前後のものもあります。

1ヶ月間時刻合わせをしていなかったが、5分遅れているという場合は、1日10秒程度のズレのため許容範囲と言えます。しかし1日で5分遅れている、進んでいるという場合は故障の可能性が高いため修理を依頼しましょう。

機械式腕時計がすぐに止まってしまう

ゼンマイを巻き上げているはずなのに、すぐに時計が止まってしまうということがあります。

自動巻き時計の場合、腕時計を着けていてもしっかりと巻き上げられておらず、時計が止まってしまうこともあります。

デスクワークや1日にあまり動いていない場合、ゼンマイが巻き上がっていないことも考えられますので、リューズでゼンマイを30回ほど巻き上げてみましょう。

手巻き式時計の場合、巻き上げすぎてしまうとゼンマイが切れてしまう可能性があるため、注意が必要です。

それでも時計がすぐに止まってしまう場合は、ムーブメントが故障している事が考えられますので、修理に出しましょう。

機械式腕時計から異音がする

機械式腕時計を動かしたり振ったりすると異音がする場合、ローター呼ばれる回転してゼンマイを巻き上げる部品が取れている可能性が高いです。

放置すると他の部品を傷つけたり、ムーブメントの奥に入り込んだりして、さらに大きな故障につながる危険性があります。

そのため早めに修理を依頼する必要があります。

リューズが動かない、重い

リューズが動かない、リューズが重い場合は内部の油が切れていることが考えられます。

機械式腕時計は、小さな部品がたくさん集まって動く精密機械です。その部品と部品の隙間に専用の油を塗ることで、部品同士の摩耗を防いでいます。

しかし油は定期的に塗り直さないと乾燥、変質してしまいます。

リューズ周辺の油が乾燥・変質している場合リューズの動きが重くなることがあります。

またリューズが動かない場合、リューズの芯がサビていることが考えられますので無理に動かさないようにしましょう。

リューズが動かしづらくなるのは、油切れや劣化の兆候のため、早めにオーバーホールを依頼しましょう。

クロノグラフの針が動かない・リセットできない

クロノグラフの多くは、2時位置のプッシュボタンを押すことでクロノグラフを駆動できます。

そして同じボタンをもう一度押すことでストップ、4時位置のプッシュボタンを押すことで、クロノグラフをリセットすることができます。

しかしプッシュボタンを押してもクロノグラフの針が動かない場合、内部のムーブメントの部品が破損していることが考えられます。

クロノグラフ機構は、機械式腕時計のなかでもとくに複雑な作りになっているため早めにオーバーホールを依頼するようにしましょう。

また、リセットボタンを押してもクロノグラフの針が0時位置に戻らないのは、クロノグラフの故障の兆候です。クロノグラフ機構の部品の一部の緩みやズレが発生している可能性が高いです。

早急に直す必要はありませんが、オーバーホールを出した際に一緒に直してもらうと良いでしょう。

ガラスが曇る

時計のガラス内部は、完全に密閉というわけではなく空気が存在しています。

寒い外から温かい室内に入ったときといった寒暖差が大きいと、時計のガラスが曇る場合があります。この場合しばらくすると、自然と曇りは消えます。

しかしガラスの曇りが長時間続いている場合、時計内部に水が入っている可能性が高いです。この場合、早急に内部の水を取り除く必要があります。

時計にとって、水気は大敵です。機械式腕時計のムーブメントは金属でできているため、水気を放置すると部品が錆びて故障につながってしまいます。

錆びた部品は交換するしかないため、交換費用が高額になる傾向があります。

ガラスの曇りは内部に水が侵入した兆候ですので、長時間消えない場合は、すぐに修理を依頼しましょう。

まとめ

今回は、機械式腕時計の故障の症状や故障につながる兆候解説しました。

機械式時計についての知識は、まだまだ知っておきたいことがたくさんあります。

ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。